家族葬の歴史

最近ではこの家族葬と呼ばれる葬儀スタイルが増えつつあります。昔は葬儀では見送る人が多いほど故人にとって喜ばしいことであると考えられてきていました。しかし、家族葬は昔から存在する葬儀スタイルではありますが、家族やごく親しい間柄の人間のみ(一般の弔問客は呼ばない)で葬儀を執り行う小規模な葬儀の一つです。昔の日本では考えられないこの葬儀スタイルも、今では世間的に認知されるようになってきました。

大規模な葬儀や、葬儀は執り行わずに直接火葬をする形など、古来からさまざまある葬儀スタイルのなかで。家族葬がいつ頃から存在していたのかは定かではありませんが、後日に改めて本葬が行われるとしても、身内だけで故人を見送りたいという感覚は先人も持ち得ていたものであると思われます。その漠然とした葬儀スタイルが、『家族葬』という名前を持って人々の前に浮上するようになったのは、1990年代を過ぎたごくごく最近のこと。これは、核家族化や少子化といった日本特有の家族スタイルが背景にあると考えられます。金銭と手間を省いた葬儀の新しい形が、現代人の生き方に合っていると許され始めたのです。

今や、あらゆる葬儀会社で当たり前のように『家族葬プラン』というものもメニューの中に示されており、家族葬にまつわるサービスもどんどん拡大されています。こちらの久留米にある祭礼という葬儀会社を参考にしてもらうと分かるとおり、コンパクトなプランが多いことから、家族葬は一般的な葬式スタイルとして多くの遺族に選ばれています。しかし、間違って欲しくないのは、家族葬は決して時間短縮や経費削減のためだけに行われるものではないということ。故人との最後の時間をゆっくり過ごすことが何より、家族葬の一番の目的であり故人への供養になるのです。

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